■ 同棲・結婚を見据えての転職
20代後半、僕は「人生を変えたい」と強く思っていた。
それは、仕事のためでも、夢のためでもなかった。
理由はもっとシンプルで現実的なもの。
「この人と、ちゃんと将来を考えたい」と思える彼女ができたからだ。
一緒に暮らす未来。
結婚、家庭、子ども、老後の生活――。
そんな当たり前のような未来が、僕にとっては眩しくて、手が届きそうで届かないものだった。
当時の給料じゃ、到底家族を養えるなんて思えなかった。
趣味や夢の前に、まずは“生活の土台”を整える必要があった。
だから僕は、「もっと稼げる仕事をしよう」と決めた。
■ 板金・塗装業で感じた理想と現実のギャップ
転職先に選んだのは、板金・塗装の職人仕事。
クルマ好きな僕にとっては「好き」を仕事にできる道でもあり、経験を活かせる分野でもあった。
「腕を磨けば独立だってできる」
「稼げる職人になれるかもしれない」
そう思って飛び込んだ世界だったけど、現実は甘くなかった。
■ 大手企業からの仕事は仲介手数料が年々あがる中、利益は出にくい
■ 自営業で不安定、福利厚生もかなり悪い状態
■ 一日の労働時間が短いが年間休日が90日前後しかない
体力と時間を削っても、それに見合う収入はなかった。
むしろ、前職よりも給料は下がった。
「これじゃ家族どころか、自分ひとり食っていくのもギリギリだ」
そんな現実が、じわじわと心をむしばんでいった。
■ 夢も恋も失って、残ったのは絶望だけ
金銭的な不安、仕事の疲労、将来への焦り。
日々に余裕なんてなくなっていった。
恋人ともすれ違うことが増え、
結局、別れが訪れた。
一緒に生きるために選んだ転職で、
一緒にいたい人を失った。
夢も叶わなかった。
収入も下がった。
愛する人にも去られた。
僕の選択は、全部間違っていたのか?
努力しても、願っても、うまくいかないのか?
当時の僕は、どん底にいた。
何もかもが空っぽで、ただ虚しさだけが残っていた。
■ でも、終わりじゃなかった
…だけど、そこで終わらなかった。
いや、終わらせなかった。
その続きは、次の記事に書こうと思う。
「何もない」から、もう一度やり直すために僕がしたこと。
どんなに下に落ちても、
人はまた立ち上がれる。
このブログのテーマは、「負け犬だって、勝ち筋を探してんだよ」だ。
だから僕は、まだ終わらない。
次回
「何者でもない自分が、ゼロから人生を立て直すためにやったこと」
コメント